多様体と幾何学

松本『多様体の基礎』から始めて、松島『多様体入門』、志賀『多様体論』まで、制覇します。

解析入門Ⅰ(その14)

 現在2023年5月8日16時44分である。(この投稿は、ほぼ4012文字)

麻友「今日、通院だった。ポートでも、入院するかも、なんて言ってたのに、私には、断りもなく」

私「違うんだ。今朝、凄い嵐だっただろう。それで、一緒に行くと言っていた母が、急遽行かないと言ってきたんだ。先日から、『太郎の歩き方が、おかしいから、先生に相談する』と言ってて、『もしパーキンソニズムになりかかってたら、薬を減らしてもらう』などと言ってるので、『薬を変えるとすると、様子を見るために、入院させられるか』と、警戒した私は、入院中に読む本まで、用意していたのだが、直前にドタキャンだったので、リュックも軽くできて、助かった。入院はないだろうと、麻友さんには、知らせなかった」

麻友「そういうことだったの。それで、診察は?」

私「先生は、前回の血液検査の結果を、見せてくれた。いつもと同じで、尿酸の値が高く、血小板数が、少ない。リチウムは、少し高めだけど許される上限より下。それで、問題なしと。歩き方の話もしたが、先生も、気付いていたと。ただ、現在の薬は、減らせませんと。こう言われる理由も分かる。5年前、『アメリ』の DVD を借りてきて、観ようとしたら、お腹が痛くなり、後で盲腸だったと分かったのだが、吐いてしまった。1週間以上、飲んだ薬を吐いていたら、統合失調症の症状、幻覚が現れてしまった。これは、脅かしているのではなく、2018年2月19日に、内科に入院したが、夜中に目覚めたら、看護婦さんが、タブレットみたいなスクリーンを持って来て、これから昼間仕掛けた実験の結果が出るという。そして、『やった!』 とか、『あっ失敗』とか言っているので、『何が、映っているのですか?』と、覗き込んだら、『あなたが、覗いたから、失敗した』とか言われて、『ごめんなさい』と、謝った。際限もなくやっているので、私は、寝てしまった。これだけなら、夢を見たのだろうと、済ませられた。ところが、翌朝、8時頃、一人でベッドに寝ていると、扉が開き、看護婦さんとは違う服を着た、女の人が入ってきた。『回収すべきゴミはありますか』と言うので、『ないと思います』と答えると、『朝一番ですからね』と、言いつつ、私がちょっと前に鼻をかんだティッシュを、めざとく見つけ、『あっひとつ』と言って回収し、『それでは~』と言って、去って行った。この病棟(5D病棟)、幽霊が出るんじゃないかと、気味が悪かったが、その晩、精神科病棟(5A病棟)に移って、ホッとした。統合失調症に、治癒はなく、寛解しかないというのは、本当である」

若菜「それは、完全に、幻覚を見たんですね。レーザーホログラフィーだと、お父さんなら言うかも知れませんが」

結弦「入院することになり、『アメリ』の DVD は、観れず、お母さんの演ずる、ミュージカル『アメリ』を、最初に観た。女の人の一念って、恐ろしいな。でも、お父さんの一念も恐い。この二人、神がかってるよ」


麻友「もう。統合失調症の話は、面白いけど、太郎さんの、数学や物理学の話を、もっと聞きたい。あの、ドラマ『戦う!書店ガール』のときの、

27182818284590452.hatenablog.com

この相対論のブログの投稿みたいに、


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 54分間のドラマの間中、ずっと、周りの登場人物より、0.01度、心の温度が高い女の子がいる。

 もう分かっているとおり、亜紀を演じた、まゆゆ、だ。

 普通の人なら、こういうとき、周囲より2、3度、体温が高い、と書くところだ。

 それを、0.01度、と書くのには、理由がある。

 私は、普通の人間の心の温度が、0度だとして、語っているのだ。

 0度とは、氷が融ける温度である。

 つまり、子供が死ぬ、というような、心が凍るような体験もすれば、愛する人にギュッとされて、心がとろけちゃうような思いもする。それが、普通の人なのだ。

 ところが、まゆゆ、は、違う。

 まゆゆ、の、心の温度は、0.01度なのだ。

 0.01度とは、水の三重点

 つまり、固体と液体と気体の水が、同時に存在できる唯一の温度。

 まゆゆ、難しいことを知りたかったら、辞書を引けばいい。

 あっ、そうか。今の人は、インターネットで、検索するのか。

 難しいことは、置いておいて、凍る・融ける、の他に、まゆゆ、には、水蒸気になって飛べる、という羽がついているんだよ。

 最後まで、まゆゆ、は、浮いてた。

 これは、けなしているんじゃないんだ。

 けなすんだったら、水の三重点まで持ち出さないよ。

 まゆゆ、は、最後まで、カリスマ性を、発揮し続けていた、ということ。


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                (上で引用した投稿の中の記述より)

まゆゆは、飛べる。なんて、論証できるのは、太郎さんだけ。それを、聞きたい」


私「そう。いつも、麻友さんを、ワクワクさせようと、題材を集めている。今日、病院の帰りに、SOGO の紀伊國屋書店に寄ったら、数学ガールの秘密ノートに、新しい巻、

が、出ていた」

麻友「買ってきた?」

私「ビニール被ってて、ビニ本だったから、買わなかった」

若菜「冗談ですか?」

私「買わなかったのは、本当。題名を見て、私の、『1から始める数学(~その15)』と、どっちが魅惑的かなと、想像しただけで、気持ちがいっぱいになった」

結弦「お父さんは、有理数までは、本当に、作ったんだものな。次は、実数と、超実数。楽しみだな」

私「あの超実数、本当に『数Ⅲ方式ガロアの理論』みたいに、足場を見せながら、作ろうと、思っている。齋藤正彦さんが、証明は明らかみたいに書いていたところも、後で補おう。だが、実数というものの性質が、ちゃんと分かっていない人に説明しても、分からない。そこで、実数について、今、説明している」


麻友「今日の話は?」

私「『数学基礎概説』で、群の公理 G1~G4 と、推論形式 GE1~GE4 の導入をした。実は、『数学基礎概説』は、更に食い下がって、推論形式を、2つにまとめ、群自体の公理の方を充実させる。見せると、

カッコのつけすぎというのは、この下の右ページを見て感じたことだ」


私「さて、11ページに戻って、3段論法というのは、 A AならばB が成り立つとき、B が成り立つとする推論で、『現代論理学』で、かすって終わったところに、書いてあったことだ」

麻友「あのときは、こんなもの何? という感じだったけど、もっと勉強しておけば、良かったわね」

私「大丈夫。私が、付いてる。どんなときも、必要な数学を、作ってあげる」


私「推論形式 GE1~GE4 を、公理 G5~G8 にまとめた」

私「そして、推論形式GE3 が、確かに、公理G1~G8 から、導けることを、次のページの左上で、証明している」

私「上のページの残りは、新しい公理系で、逆元の逆元はもとの元、を、証明してみているところだ」

麻友「つまらない図だと思ってたけど、説明を聞いてみると、グシャグシャだった記号が、命を吹き込まれたように、立ち上がってくるわね。数式に命を吹き込める、太郎さん。流石だわ」

私「スキャン原稿は、今日は、ここまでなんだ。ここまで、分かっていれば、『数学基礎概説』で、今回必要なものは、十分吸収できてる。『数学基礎概説』は、この後、どんな数学でも扱える論理を目指して、比較的自然な1階古典述語論理の体系NK(エヌカー)を、導入し、それが無矛盾であること、更に、論理的に正しい論理式は、全部 NK で、有限のステップで、証明できるという、完全性定理の証明を、行うが、今回そこまでは、必要ない」

私「断っておくと、無矛盾とは、{A \wedge \neg A} が、矛盾した仮定をしない限り、証明されないということであり、1階の論理が、無矛盾であることを証明したのは、Gentzen(ゲンツェン)であり1935年の成果である。また、完全性定理は、{\mathrm{G\ddot{o}del}}ゲーデル)の1930年の成果である。どちらが難しいかは、見かけと異なることもある。1935年と、1930年は、逆ではない」

若菜「その空恐ろしい定理を、お父さんは、証明読んである。証明を自分でできなくとも、他の人の定理の証明を楽しむという人生も、有って良いのですね。日本酒を全部飲み比べたとか、世界中のワインを飲んでみるとか、人それぞれですね」

私「ある定理を、証明するのが、自分が最初というのを、自慢するのは、処女を征服したと自慢するのと同じだと、私は思う。私に取って、数学に変わりはない」

結弦「最後に、お父さんの本音が出て、今日は、おしまいだね」

私「明日か、明後日、電話してみる。それじゃ、おやすみ」

若菜・結弦「おやすみなさーい」

麻友「いいでしょ。おやすみ」

 現在2023年5月8日22時25分である。おしまい。