多様体と幾何学

松本『多様体の基礎』から始めて、松島『多様体入門』、志賀『多様体論』まで、制覇します。

解析入門Ⅰ(その17)

 現在2023年6月9日19時40分である。(この投稿は、ほぼ1467文字)

麻友「前回の『解析入門Ⅰ』の投稿は、4000文字くらいあったわね。まとめると言ってた」

私「丁寧に書くだけが、読み易いとは、限らない。コンパクトに纏めるのも、時には必要」

若菜「右単位元の存在から、左単位元の存在と、一意性を、導くのです」

結弦「群の定義をするとき、算法は、+ でなく、{\circ} を使っていたはずだけど」

私「どっちでもいいんだけど、{\circ} を、使うなら、右単位元の存在とは、ある {e} があって、任意の {a} に対し、

{a \circ e = a}

と、なることだ」

結弦「{1} を、掛けるみたいなこと、つまり単位になる元、ということかな?」

私「解釈は、人の数だけあって良い。それで、間違わないなら」

麻友「それで、どうするの?」

私「こういう、{e} みたいなのが、他にもないかと、数学では、追求する」

麻友「そっか、だから、こういうものが、他にもあったとして、それを、{d} とする。当然さっきの式と、同じような式が、成り立って、任意の {a} に対し、

{a \circ d = a}

となる」

結弦「色々、試してみる。この式や、上の式に、{e} や、{d} を、代入して、

{e \circ d =e}

{d \circ d =d}

{d \circ e =d}

{e \circ e =e}

だ」

若菜「あと、{e \circ d =d \circ e} があれば良いんだけど、道が、見えない」

私「『数Ⅲ方式ガロアの理論』で、後で出てくるのだが、『不利なときは、戦線を拡大せよ』と、教わる」

麻友「じゃあ、右逆元の存在も、仮定する」

結弦「任意の、{a} に対し、{a \circ a’ =e} となる {a’} が、存在する。{a’} は、{e} や、{a} により、異なって良いとする」

若菜「そうすると、あっ、

{a = a \circ e = a \circ (a’ \circ a’’)=(a \circ a’) \circ a’’=e \circ a’’}

{e \circ a =e \circ (e \circ a’’)=(e \circ e) \circ a’’ =e \circ a’’ =a}

第2式の、最初と最後で、第1式を使っています。これで、{e} は、左単位元でもあることが、証明されました」

私「頑張ったなあ。実は、もう22時31分で、眠い。続きは、明日にしよう。一応、右単位元の存在と、右逆元の存在から、左単位元の存在を、導いたことになる」

麻友「お父様のご容態は?」

私「明日、朝日新聞だけでなく、日経新聞も買ってきてくれと、言ってきた。しばらくは、大丈夫なのかも知れない。でも、麻友さんには、1週間以内に、会って欲しいと、私は、望んでいる」

結弦「お父様に勝ったですか?」

私「安心させたい。というのが、一番だ。それじゃ、解散」

 現在2023年6月9日22時37分である。おしまい。