多様体と幾何学

松本『多様体の基礎』から始めて、松島『多様体入門』、志賀『多様体論』まで、制覇します。

集合論的位相幾何学(その3)

 現在2023年10月8日13時57分である。(この投稿は、ほぼ1965文字)

 大学2回生のとき、『多様体の基礎』を、読んでいて、多様体の次元というものは、定まるのだろうか? と、疑問に思った。そこで、そのことを、ある雑誌に、問題として、出題してみた。
 そうしたら、定まるということを、証明してくれた人がいた。知る人ぞ知る池田和正さんである。実は、後に放送大学の面接授業で、先生として現れた池田さんにお会いして、このときのお礼を、言うことが出来たのであるが…。

 ところで、池田和正さんの証明には、アレキサンダーの双対定理というものが、使われていた。

という、辞書のような本に、証明が載せられていて、とても当時の私には、読めなかった。なんとかならないかなあ? と思っていて、3回生の冬休み、(当時横浜に移っていた)実家に帰省した折、八重洲ブックセンターで、

という160ページの薄い本で、アレキサンダーの双対定理の結果である、領域不変性定理というものの証明があった。1も、2もなく、1994年1月6日購入した。


 開いてみると、距離空間の定義があり、距離空間の例が、5つ挙げられている。


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 距離空間の例

1.ユークリッド空間

2.ヒルベルト空間

3.フレッシェの例

4.{0 \leqq t \leqq 1} で定義された連続実関数全体の集合を {E} とするとき、{E} に属する元素 {x(t),y(t)} はすべての {t} の値に対して、{x(t)=y(t)} なるとき等しいと定める。{E} の2元素 {x(t),y(t)} に、

{\rho(x,y)=\max|x(t)-y(t)|} (ここに、注がある)

を対応させれば、{E}距離空間となる。また、

{\displaystyle \rho(x,y)=\biggl[\int_0^1(x(t)-y(t))^2dt \biggr]^{1/2}}

を対応させても距離空間となる。


 注.

{\max|x(t)-y(t)|}{0 \leqq t \leqq 1} における {|x(t)-y(t)|} の最大値を表わす。これが存在することは、微分学においてよく知られている。


5.{0 \leqq t \leqq 1} で定義された有界な関数全体の集合を {F} とし、

{\rho(x,y)=}上限{|x(t)-y(t)|}

とするとき、{F}距離空間を作る。


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     (古関健一『集合論位相幾何学』(槇書店(まきしょてん))p.p.2-3より。ユークリッド空間、ヒルベルト空間、フレッシェの例は、この後詳述するので、定義を省略した)


私「麻友さん。とんでもない話が、始まったと、ビックリしているだろう」

麻友「(その3)って言うことは、前に、(その1)や、(その2)を、やってるのね」

私「一応、リンクを張るよ。無理に読み直さなくても良いけどね」


manifolds.hatenablog.com


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若菜「お父さん。(その2)で、疲れ切って、沈没したのでしたね」

私「実は、沈没したのは、疲れたからではなく、この例を、ひとつずつ証明していて、フレッシェの例というものが、難しそうで、『これ、麻友さんに、説明出来るのかな?』みたいに思って、萎縮してしまった。というのが、本当の理由なんだ」

結弦「そのときは、証明、持ってなかったの?」

私「実は、証明、知らなかった」

麻友「こんなに、大っぴらに、始めた。と、言うことは、証明できたのね」

私「うん。ただ、今日は、もう22時12分になってしまったので、この続きは、次回以降とするね」

麻友「分かったわ。おやすみ」

若菜・結弦「おやすみなさーい」

私「おやすみ」

 現在2023年10月8日22時16分である。おしまい。