現在2022年8月28日12時47分である。(この投稿は、ほぼ2234文字)
麻友「2日に、またがった、ベートーヴェンヴァイオリン協奏曲のデート、楽しんだわ。それで、今日は、数学?」
私「数学者が認めるレヴェルで、証明を書く。とか言ったんだけど、数学の本が、どのくらいなのか、一応、見せておこうと、思ったんだ。前から、選択公理、ツォルンの補題、ツェルメロの整列可能定理が、同値だという話は、チラチラしている。選択公理は、公理なんだから、認めるとして、ツォルンの補題は、どうやって証明するのか? これ、全然分からなくても、悲観しなくていいよ。私自身、大学に入って、川口周君のゼミで、『代数概論』を、読み始めて、出くわした。分からないまま、ゼミに行ったら、川口君が、
川口「これ、分かりました?」
私「なんか、並べられるとか」
川口「本で、説明を、見つけたんですけど、5ページくらい証明があって、準備できませんでした」
と、言ったくらいだから、無菌状態にいた麻友さん達が、分かるレヴェルではない」
結弦「その証明は、どの本の?」
私「
彌永昌吉・彌永健一『集合と位相』(岩波基礎数学選書)
という本のものだ」
若菜「その本のレヴェルは、この前の本のレヴェルで、どれくらいですか?」
私「難しさ5.だな。ノート取ってても、分からないところがある」
結弦「ちょっと、見せてよ」
以上が、ツォルンの補題の証明。そして、選択公理とツォルンの補題の同値性が、前ページの下から、以下。
最後に、超限帰納法と、ツェルメロの整列可能定理が、96ページ半ばから、98ページ半ばまで、
これ。著者が、これは、当たり前と思って、証明を飛ばしたようだけど、全然当たり前でないところが、何カ所もある」
麻友「なんで、そんな本で、勉強するの?」
私「このくらいのレヴェルになると、『素晴らしく分かる!~』とか、『答案にそのまま書ける!~』というような本には、証明が書かれていないんだ。それに、難しさ5.の本が読めないと、数学の本当に面白い本が、読めないんだ」
麻友「いっぱい書き込んでるけど、太郎さんのノートで、ギャップを補うと、どれくらいのページ数になるの?」
私「ツォルンの補題の証明だけで、ひとつき20ページ必要とした」
若菜「お父さんでも、そうなんだと、思うと、ホッとしますが、その先に、数学は、あるんですねぇ」
結弦「その、証明。飛ばすことは、できないの?」
私「できるよ。『数学者のほとんどが、認めてるんだし、改めて、証明しなくても、いいんじゃない?』って、立場に立つということだよね」
麻友「そういう数学の築き方って、あるの?」
私「大学の理学部に入ったほとんどの学生が、その洗礼を受ける。高校まで、数学で分からないことのなかった学生達が、『こんな書き方された、数学の本、読める人間いるのか?』という思いをする」
若菜「お父さんもそうだった?」
私「認めざるを、得ない。実際そうだったから」
結弦「どうやって、乗り越えるの?」
私「ツォルンの補題のような、取り敢えず認めなければならないものを、いくつか認め、数学の本の書き方に慣れる。1,2カ月もすれば、『ああ、こういうものなんだ』と、分かってくる」
若菜「でも、無理矢理認めたものは?」
私「それは、頭の片隅にあるけど、差し当たって、目の前の問題には、関係ない。そういう妥協をした方が、進むのも速い」
結弦「今日、この話を、したのは?」
私「『解析入門Ⅰ』を、読んで行くに当たって、大学の数学のレヴェルを、改めて知っておいて欲しかったから」
麻友「太郎さんの数学の話なんて、真面目に読んでないわよ」
若菜「寂しがってたのに」
麻友「冗談じゃない」
若菜「お母さん、約束だった算数。楽しみにしていたんですよ」
私「ああ、あれなあ。続けようか」
若菜「お父さん、今朝、小雨の中、朝ご飯買いに行ったとき、ファミリーマートの横の、工事したばかりのセメントの路肩で、滑って転んだでしょ」
私「良く知ってるな」
若菜「打ち身はあったでしょうけど、全く怪我をしなかったでしょう」
私「うん。まだ50歳って、若いんだなと、自信を取り戻した」
若菜「お母さんが、魔法で、肩の骨が折れるのを、守ったんです。お母さん、いつも、お父さんのこと、見ているんですよ」
私「確かに、思いっきり、滑ったからなあ。セメントの表面が工事したてで新しくて、雨がかかったから、ツルツルだったんだ。麻友さんが、肩を守ってくれたのか。ありがたい。こんな時期に、肩にギプスはめるの嫌だものなあ」
麻友「全部は、やらなくていい。『AKB48中学数学』やってくれたら、読む」
私「分かった。今日のこの投稿は、麻友さんが、魔法で作ったんだな。応えてみせるよ」
若菜・結弦「バイバーイ」
麻友「バイバイ」
私「バイバイ」
現在2022年8月28日15時25分である。おしまい。