多様体と幾何学

松本『多様体の基礎』から始めて、松島『多様体入門』、志賀『多様体論』まで、制覇します。

多様体の基礎(その2)

 現在2021年4月6日19時56分である。

麻友「あら、こんなブログもあったわね」

私「はてなブログの、URLの命名権争いで,manifolds(多様体)というのが、選べたので、ブログ作っておいたんだ」

若菜「命名権争いということは、少しは、お金を払ったのですか?」

結弦「お父さんが、払うわけないよ。徹底的に、他の人が考えなさそうな名前を、どんどん入れていったんでしょう」

私「そうだ。そういうわけで、『多様体幾何学(たようたいときかがく)』というブログ名にした」

麻友「松本『多様体の基礎』から始めて、松島『多様体入門』、志賀『多様体論』まで、制覇します。というのは?」

私「ただ、多様体を学ぶといっても、やっぱり本を読むことになる。差し当たって、私のお気に入り、

松本幸夫(まつもと ゆきお)『多様体の基礎』(東京大学出版会

を、読んでいこうと思っている」

麻友「思い出した。太郎さんが、相対論のブログの、『一般相対論の勉強法』という投稿で、


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 私は、一般相対性理論を学ぶ、日本の学生全員に言いたい、

東京大学出版会から出ている、松本幸夫著『多様体の基礎』という本を丁寧に読みなさい。」

と。

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     (『相対性理論を学びたい人のために』というブログの『一般相対論の勉強法』という投稿より)


と、書いていた本だ。そうすると、太郎さんが、この本のガイドブックを、作ろうというの?」

私「『数Ⅲ方式ガロアの理論』ほど、読みにくい本ではないから、ガイドブックというほど、凄いものを作る気はない。ただ、私があの投稿をしたら、とにかく『多様体の基礎』だけ読めば良いのだろうと、いきなり取りかかってしまう人もいるみたいで、私が、


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 行列式の定義と連鎖律くらいが分かったら、もう、「多様体の基礎」に取りかかるべきだ。

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と言っている意味が、分からなかったようだ」

麻友「そうすると、どれくらい勉強しておかなければ、ならないの?」

私「麻友さんは、そのままでいい。文系で高校を普通に卒業した人と、一緒に読むつもりで、手取り足取り解説する。数学基礎論や、ロジックでは、記号だらけになってしまって、数学が嫌いになりかけているかも知れないが、この本を読めば、華麗な数学もあるんだと分かるよ」


若菜「お父さんは、大学の何回生で、この本を、買っているの?」

私「いつもの刻印は、1992年5月15日 京都大学中央書籍と、なっている。2回生の春だ」

結弦「2回生の春ということは、数学の危機を、回避できていないじゃない」

私「そうだ。いつもの、『数学基礎概説』は、1992年6月4日 中央書籍だ。数学の基礎を、立て直しつつ、レヴェルアップも図っていた」


麻友「さっきの、松島『多様体入門』、志賀『多様体論』、というのも、それぞれ本なのね?」

私「そう。

松島与三(まつしま よぞう)『多様体入門』(裳華房


志賀浩二(しが こうじ)『多様体論』(岩波書店


の2冊だ。だけど、後ろの2冊は、場合によっては、変えるかも知れない。どちらも、古い本で、手に入りにくくなるかも知れないからね」

若菜「最初の本は、この本で、良いのですか?」

私「この本は、1988年の本で、決して古くない。松島さんの本は、1965年の本、志賀さんの本は、1976年の本だ。ここに選ぶに足る立派な本だが、手に入らないのでは、困る」

結弦「この『多様体の基礎』は、お父さん、お気に入りだけど、どういうところが、いいの?」

私「まず、多様体というものを、全く知らない人でも、読める」

結弦「どうしてそんなことが、言えるの?」

私「私自身が、この本で、初めて、多様体というものに、接した。『解析入門Ⅱ』で、{\mathbb{R}^n} 内の多様体というものを、知っていたが、これは、『宇宙から出られていない状態』なのだ。本来、多様体は、『宇宙の外に出られる看護婦さん』じゃないけど、考えているものの世界から外に出て、達観してそのものを見るというものなのだ。それを、私は、この本で、学んだ」

若菜「良いところは、それだけ?」

私「数学の本は、最初の20ページが、読みにくいことが、多いのだが、この本の最初の20ページは、非常に心を込めて書いてある。それから、非常に重要なことなのだが、後で話すけど、多様体の接ベクトル空間という非常に重要なものを、他の本では、{T_p(M)} というものを、定義して、それが、座標によらずに定義できたことを、得意がる。でも、これは、初学者には、消化不良を起こしやすい。この本では、まず、方向微分すべての集合 {D_p(M)} を、考えて、それを経由した上で、接ベクトル空間 {T_p(M)} を導入している。少なくとも私には、有り難かった」

麻友「他には?」

私「第6章 微分形式 では、章の冒頭に、

『曲線と曲面の微分幾何』(裳華房,p.77)の中で小林昭七先生が書いておられるように,微分形式は重積分の計算から発生した極めて数学的な概念である.ベクトル場のときのような直観的な‘絵’が、微分形式については描きにくい.多分,微分形式は,単刀直入に定義を述べるのがよいと思われる。そして,計算しているうちに,ある種の直観が形成されてくる性質のものではないかと思う.

とあり、『この章のことは、最初は、気持ち悪く感じられるけど、計算しているうちに分かるよ』と、究極のアドヴァイスをしてくれている」
  
結弦「本当に、お父さん、この本好きなんだね」


私「昨晩は、ここまでで、眠くなってしまい、0時35分頃眠った。今日、改めて始める」




 現在2021年4月25日9時57分である。

私「こういう投稿も、書きかけていたんだ。どうも、論理学とか、集合論とか、抽象的すぎる話ばかりで、麻友さんが辟易しているのではないかと、思ったからね」

麻友「『宇宙の外に出られる看護婦さん』か。相対論のブログの記事だったわね。楽しみではあるわね」

若菜「でも、なんで、投稿しなかったのですか? 4月7日に」

私「4月8日にドラえもんのブログに、『フーリエの冒険(その3)』を、書いたように、麻友さんの数学のレヴェルは、私のこのブログの説明のレヴェルにすら、達していない可能性があると、気付いたんだよ」

結弦「それは、当然だよ。僕が、中学3年生だと言ってるのに、{\mathbb{R}^n} (アールエヌ)とか、とんでもないこと、言うんだもん」

私「ごめん。象牙の塔になっちゃって」

麻友「そうすると、このブログは、ほんのちょっとずつ、進めようとか、考えているの?」

私「『フーリエの冒険』で、微分とか積分に、もっと慣れてからね」

麻友「書かないのは、それだけじゃないでしょ」

私「やっぱり、分かってるな。核融合発電所は、危なくないという投稿を、もうちょっと、書こうと思っているんだ」

若菜「前に向かっているお父さん、格好いい」

結弦「後ろ向きになるのは、お父さんは、まだ早いよ」

私「ありがとう。じゃあ、終了」

若菜・結弦「バイバイ」

麻友「バイバイ」

私「バイバイ」

 現在2021年4月25日12時16分である。